第2章の続き

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 給料の額面だけで考えると割に合わないが、衣食住や福利厚生など全ての面を踏まえて考えると、きついと言われる職業の中で比較するならば、実は新聞屋はかなり好待遇なのではないか。  全国の新聞屋の名誉の為に言うと、専業の仕事が性に有っており、自分にとっては天職なのだという者も少なからず居るだろう。  只、件の理由から、人生を諦めた者と希望に満ちた者、その両極端な者の割合が、他の職業よりも多いのではないか。  人生を諦めた者にとっては、坂井の言う言葉が当てはまり、希望に満ちた者にとってみれば、全くそんなことはない。  それが新聞屋という職業に対する俺の考えだ。  坂井の勧めも有り、俺も半年働いた時点で積立てを開始した。  しかし200万円を得る為には残り2年半、後3度の冬を乗り超えなければならない。
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