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顔色を失った真理子の口から出て来た言葉は、どれも自虐的で諦めを感じさせるものばかりだった。
結果を急ごうとする真理子に、俺は元々一人の男の存在を知っていたのだと告げた。
元々知っていた男の存在が、一人から二人へと変わっただけのことだと示したのだ。
だが真理子の表情に思ったほどの驚きは見られず、頑なな態度に変化は見られなかった。
そして、意図して二人の男と関係を持っているのかと問いかけた俺に、真理子は複雑な事情が有ることを認めた。
俺はその事情を知りたいと思った。
俺にもまだ話していない事が有ると言った。
そして抱きしめ、もう一度その唇を求めようとした。
俺の心境に変化の無いことを示したつもりだった。
真理子はそれを拒んだ。
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