第2章の続き

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 それにしても、好きでもない相手と関係を持たなければならない事情とは一体何だ。  真理子が、警察にも言えずそれを弱味として握られ、二人の男の言いなりにならなければならないような失敗を犯す人間には思えない。  普通に考えると、やはり金が絡んでいるはずだ。  借金か。  だとしても浪費やギャンブルで借金を作るような女とは思えない。  死んだ夫が残した借金なのか。  裁判でかたを付けることができない、もしくは真理子の側がそうはしたくない曰く付きの金。  そうとでも考えると、弱味を握られて言いなりになっているという推測が立ちしっくりくる。  推測が当たっているとして、俺に何が出来る、どうしたいのだ――。  真理子の借金をどうにかしてやれる甲斐性など俺には無い。
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