第2章の続き

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 以来、高校に入って実家を出るまでの間、ろくに口も聞かなかった。  しかも洪は、店の女の子に手を付けて雅文を怒らせもする。  バイセクシャルなのだ。  そしてママは零と寝ている。  洪とママによる零の共有。  歪んだ三角関係――。  虫唾が走る。  立ち上がり、クローゼットを開けながら冷たく言い放った。  「着替えるから外に出て」  背を向けているわたしの首筋に、洪の息が掛かった。  「いつの間にか、千里も大人の女になったな」  危険だと思った時には遅かった。  抱きかかえられ、ソファーに押し倒された。  「止めてよ!ママに言いつけるよ!」  効き目は無かった。  腕枕をする様にして回された洪の左腕がわたしの左手を掴んだ。  右腕は洪の体に敷かれて自由が効かない。
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