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試験だって普通科で受けた。これは間違いがない。手元にその時の受験票が残っているから、それが証拠だ。
兎に角、早いうちに普通科への転科許可を貰わないと。このままでは進級できないなんてことになりかねない。
「アグネス。先に教技場に行っていいよ。君まで授業に遅れてしまう。僕は後からゆっくり行くから」
そう言ったが、アグネスは首を振って鍋をかけていた炉を片づけはじめた。炭を廃炭箱へと移している。
「いいんですよ。私はレニと一緒に行きたいんだもの。それに、遅れそうになったら、私がレニを抱えて走ったらいいだけのことです!」
「抱えられるくらいなら『走る』よ」
綺麗になった鍋を教卓の上に置き、言い切った。それを聞いて、張り切っていたアグネスは残念そうな表情を浮かべている。
「うぅ」
レニはその頭を撫でてやった。こういう時はこうするのが一番良いと、この半年間で学んでいる。
ほら。
シュンとしていたアグネスはその一言で笑顔に戻った。
「終わったよ」
次も、この教室で薬学の講義があるのだろう。鍋と柄杓を持った学生達がパラパラと教室内に集まり始めていた。その中には、教室に足を踏み入れたとたんに倒れ込むように眠りにつく人がいるようで。
レニとアグネスは顔を見合わせると、荷物を回収して、急いでその場を離れていった。
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