《第三章》

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「レオンにも、同じように伝えてよ」 「う゛……気付いてたのかよ」 レニはこそこそと自分の過去を探ろうとしていたレオンとセオドアに気付いていた。あの二人ときたら、今日の召喚から、獲物を品定めする獣のような目で自分を見ていた。気付くなという方が無茶がある。 「ティペット!早く席に戻れ」 サランに一喝されたセオドアは、ひっ、と声を漏らして階段を駆け上がって逃げていった。どれだけサランが苦手なんだか。 その気持ちがレニには解らず、首を傾げる。 たまに鬱陶しくも思うときがあるが、基本は悪い人じゃあないんだけどな。レオンは冷めていると表現していたが…………どのあたりがだろうか?鉄仮面なところ…………? 「なぁ、アグネス。ルシオラって…………損してるよね?」 「えっ?」
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