《第四章》

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魔導の概念の発展したここトゥラン王国には数多くの魔導師達の職能組合であるところの魔導師ギルドが点在している。魔導の研究に特化したギルドやその力を生かし様々なことを請け負うギルド、傭兵や用心棒として働く者達ばかりが集まったギルドなど、様々存在する。 昨今では学校教育の仕組みが発達し、多くの魔導師専門学校が設立されたことにより教師の需要……と言ったらいいのか、兎に角、教えることのできる人間達が必要とされるようになった。 そのため、高度な魔導技術を持ちなおかつその資格を国より与えられた魔導師がギルドを作っている。そこでは専門のライセンスの発行も国より代わって行っている。 サランやアデルも勿論所属している…………はずだ。 レオンはいつものように自分の所属しているギルドの裏口から中へ入った。 何でも屋のようなギルドで、独自のランク設定により魔導師と任務に格付けをしている。かなり規模の大きいギルドでトゥランの首都に本部を構え、各四地域に支部をそれぞれ配置していた。 レオンが今いるのはそのうち東領に置かれた支部だ。 首都である央領(王領ともいう)へと真っ直ぐに続くメインストリートから少し入った通りに位置する白壁造りの大きな建物がそれだ。 元々は本部に籍を置いていたのだが、学院に入学したのと同時にここに移している。一応、学業優先ということになっているので、休日にのみ顔を出すようにしていた。 「何かいい案件入ってる?」
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