3人が本棚に入れています
本棚に追加
私の名前は大本 俊一。31歳。既婚者。
見た目はこれといって特徴なし。
強いていうならば眼鏡を掛けていることか。
勤務先は〇×商事の係長代理。
勿論、転職経験はなし。
大学の卓球サークルで一緒であった同級生の亜沙美と結婚して早五年が経ち、現在は二人の子宝に恵まれごく普通の幸せな家庭を築いている。
…けど何か物足りない。
夫婦生活が上手くいっていないわけでもない。
子供たちだって、それなりに私に懐いてくれている。家族は円満なのだ。
…では原因は何なのだ?
結婚して子供が出来、私が家族の大黒柱となり蟻のごとくあくせく働いているからか?
いやいや違う!
私は仕事に誇りを持っている。
転職する気もなければ今の仕事が嫌いというわけでもない。
不景気の最中、給料だって人並みに貰っているのだ。
…ん?
俗に言う、「普通のサラリーマン」とは私のことなのか?
…今では趣味である卓球のラケットを握ることもなくなった。
大好きなバス釣りも、かれこれ6年はしていないぞ。
『家族の為に仕事をするのが生き甲斐だ!』
そんな大義名分を言い訳に平凡な毎日を過ごし・て・い・る。
何か私なりの生き甲斐を見つけなければ!
・・・それが切っ掛けなのであった。
最初のコメントを投稿しよう!