財前の本気

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シャワーを浴びて出勤するや否や、ロビーのソファーで見知った相手が座っている。 知らぬ顔をして通り過ぎようとするものの、その男は立ち上がり私の直ぐ真横へと並んで歩く。 「おはよう、優里」 「いつから呼び捨てになったのよ」 「たった今から」 「…今日は何の用?雷牙なら出張で居ないわ」 「雷牙に用があるんじゃない、優里に会いたくて来たんだ」 「…いい加減にして、私は貴方に会いたくなんてない。帰って」 「相変わらず冷たいな」 エレベーターに乗り込み、閉じるボタンを押すものの財前もまた同様、エレベーターに乗り込んで来た。
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