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神は自分が作った世界を見守っていた 世界の人々は神を崇め、神は人々の願いに応える 人々が願えば、その年の作物は豊作となり 人々はその作物を礼として、神へと捧げた 人々は愛する者と神へ愛を誓い 神はその二人を祝福し、幸せを与えた 神は人々を愛し、人々も神を愛し 世界は愛に包まれ、あたたかく平和であった だが、それは長く続くことはなく 機械と科学を信仰しはじめた人々は 神を否定しはじめ、以前のように神を崇めることはなくなった 神は人々に裏切られたのだ 神は絶望する 「人とはこんなにも醜いものなのか」と 簡単に掌を返し、それまで信じてきたものを いともたやすく憎んでしまう 神は人々を恨みはじめた 裏切られ、絶望した神はこう誓う ――…自分を裏切った愚かな人間共に、復讐をしてやろう 永遠に覚めない悪夢のはじまりだった  
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