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桜の咲き誇るなか、今時珍しい黒髪ロングを、三つ編みおさげにして、黒縁眼鏡の冴えない少女。
この少女の名前は、森下アリス。
名前負けのこの少女が、この物語の一応主人公なのである。
桜花高校。
私の両親が出会い、兄や姉たちも通った高校。
この学年に入学して、早半年。
周りは、勉強なんて二の次で、部活に恋に友情に忙しそうだ。
でも、ダサくて冴えない私には関係ない。
学校は、勉強するためだけの場所だ。
そんな生活の毎日の中、アリスは体育の授業を受けていた。
「今日は、男女一緒の授業だなんて、誰が決めたのよ。」
アリスは、男女合同の体育が嫌いだった。
ペアを組まなければならない種目の授業も。
なぜなら、いつも一人余るのはアリスだからだ。
授業が始まるまで、まだ少し時間があり、他の生徒は自由にしごしていた。
すると、アリスの耳に「危ない!!」と言う声が聞こえた瞬間、振り向いたアリスの顔面に、バスケットボールがヒットした。
倒れたアリスに、誰かが駆け寄った。
「おい!森下!!大丈夫か?!森下!!」
その声を聞きながら、アリスは意識を手放した…。
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