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005 #2
恋の言葉に、周囲にいた人たちがざわついた。
「周防くん!!」
アリスは、思わず叫んでいた。
そんなアリスに構うことなく、恋は「俺の本気の気持ち。」と、アリスに笑顔を向けた。
「恋…あんた、本当に本気なんでしょうね?」
麗香が、怪しむように問いかけ「もし、そこに偽りがあった時は、姉ちゃん許さないから。」と、恋の胸ぐらを掴んで威嚇した。
「ね、姉ちゃん。」
「フラフラと、いろんな子に手を出す弟に、いい加減痛い目合わせてやろうと思ってたのよ。もしも、アリスちゃんを悲しませたり、傷付ける、あるいは護れないような事があったら、制裁が下ると思いなさい?」
「あ、あの、麗香さん…。」
「アリスちゃんは、気にしなくていいのよ、これは、こいつの日頃の行いが原因なんだから。」
そういうと、麗香は胸ぐらを掴んだまま、恋を思い切り突き飛ばすと、恋はそのまま床へと倒れた。
「いってー!!なにすんだよ!!」
「いいか、恋。さっきのこと、守れなかったときは、今のじゃ済まないから。」
麗香は、そう言い残し、その場を立ち去っていった。
立ち上がりなから「実の姉ながら、すげぇ奴。」と呟いた。
「周防くん、大丈夫?」
心配するアリスに「大丈夫、慣れてるから。」と、何てことない顔で答える。
「さっきのって…。」
「ああ、本気だよ。俺は、今の森下も、ダサ子の森下も好きだ。お前を、必ず落として、幸せにしてやるから覚悟しろよ?」
そう言って笑う周防くんを、不覚にも少しだけ、ホント少しだけ、カッコいいと思ってしまった自分が悔しかった…。
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