6人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
次の日の朝。
アリスの兄と姉であるアラシとアンナは、朝からフリーズしていた。
「あ、アリー、どうしたんだ、その格好…。」
アリスは、いつものダサ子ではなく、髪は内巻きにして、眼鏡はせず、スカートも少し短くしており、メイクもうっすらしていて、いつものアリスの姿はなかった。
「へ、変…かな?」
不安そうに尋ねるアリスに、アラシとアンナは目を見合わせ笑顔になると「その方が可愛いよ。」「似合ってるわよ。」と、二人同時に、OKの丸を手で作ってみせた。
「よかった、二人からOKが出れば安心だわ。」
「ところで、なぜ急に?」
「えっ?」
「好きな人でも出来たのかしら?」
「そ、そんなんじゃないわよ。」
「あら、そう?」
「まあ、いいじゃない、朝ごはんにしよう、みんな遅刻したら大変だ。」
別に、何かがあったわけじゃない。
でも、この私も私なんだから、今の姿で学校へ行ってもいいんじゃないかって思っただけ。
なにか、見えるものも違ってくるかもしれない。
ただ、それだけのこと。
なのに、この私の行動は、私自身も予測できない事態になろうとは、全く思ってなかったんだ…。
「じゃあ、先に行ってきます。」
「気を付けてね。」
「うん。」
ワクワクする気持ちで溢れている。
私は、ただ好きな格好をしてみただけ。
だから、この後にある災難なんて、気になるはずもなく、素敵な1日なるとばかり思っていた…。
最初のコメントを投稿しよう!