君伝3…7章 キス、しようか?

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結局、美穂と連絡を取ったのはそれから2日後。 「残念だったね」 そんな凌の声に美穂は力無く笑みを見せた。 「あ、でも御巫くんのところが出場することが決まったんです! すごいですよね?」 「何が?」 「え? あ、えと優勝したってことが」 「去年、僕達もしたと思うけど?」 「それはそうですけど……」 困ったような表情に「ごめん」と謝って小さく息を吐く。 「……でも、みんな頑張ったんです」 「それは当たり前でしょう?」 「そう、ですけど……」 小さくなる声にまたため息を付きたくなる だから、 「もうこの話は止めよう。美穂もこれで引退だね」 そう言うと、 「……ですね」 と小さな声が返ってきた。
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