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ぎこちない会話に何度となくため息が零れそうになる。
「……ホント」
何をしてるんだろう?
「また今日も浮かない顔してるのね」
「シェリー」
顔を上げればガムを膨らませる彼女が目の前にいた。
「今からランチなんだけど一緒にどう?」
そんなお誘いに凌は「フィッシュアンドチップス以外なら」と答えた。
◇
「もしかして、言っちゃった?」
サンドイッチを頬張りながらの質問に凌は「いや」と答えてコーヒーを口に運ぶ。
「ならなんで落ち込んでんの?」
「……落ち込んでるように見える?」
「ううん、さっぱり。いつもと同じ様に見えるわ」
「……」
「でもニックがおかしいって」
「え?」
「もしかしたらホームシックなんじゃないかって」
そんな言葉に凌は苦笑した。
「別に帰りたい訳でもってないんだけどね」
「なら、彼女に会いたい?」
会ったら、全てが解決するんだろうか?
そんなことも、
「……どうかな?」
もう分からない。
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