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彼女といるこの空間は本当に心地よい。それは彼女の声のトーンのせいなのか、それとも彼女の思考に引きずられてるのか分からないけど、
「やっぱりシェリーと付き合うのは止めときたいな」
そう再認識した凌にシェリーは「どうして?」と少し拗ねるような表情を見せた。
「だって、ずっとシェリーとはこうしていたいから」
「それって付き合いたいって言うのとは違うの?」
「うん」
「……少しは悩んでよ」
そう言われて凌は吹き出すように笑って「ごめん」と口にする。
「 でも、シェリーが僕と付き合いたいならそれでもいいかな?」
「なにそれ。あ、身体だけの付き合いなんてまっぴらごめんだから」
「確かにその胸は魅力的だけど、そんな失礼なことしないよ」
「なら、彼女と別れるの?」
そう言われてしまうと口から言葉が出なくなってしまう。
「二股なんてしたら殺すわよ?」
「しないよ」
「じゃ、彼女と別れてあたしの男になってよ」
こんなやりとりは初めてじゃない。
何度だって繰り返したし、いつだって「いいよ」と答えてた。
すぐにそう言えないのは、相手が彼女だから。
「あたしはいつまでも待ってあげないわよ?」
そんなシェリーの言葉に「だろうね」と苦笑する。
自分がどうしたいのか分からない。
彼女だってどうしたいんだろう?
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