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「昨日、模試の結果がでたんです!」
スマホからくぐもった彼女の声が聞こえる。
「うん、どうだった?」
「じゃーん! Bです!!」
自慢そうに見せる美穂に凌はいつもや笑顔を浮かべた。
「凄いね」
「でしょ? 今回は藤井君の予想がぴったり当たって数学がめちゃくちゃ良かったんです!」
興奮気味にそう語る彼女。
「アキは頭良いからね」
「ホント、凄いですよね。やっぱりお家の仕事を継ぐんですかね? あ、大学に入ったらバスケも止めるって言ってました」
「それは少し寂しいね」
いつもと変わらない普通の会話。
「ですよね? あ、そう言えば昨日ってパーティーだったんだすよね? あれ? 今夜?」
ふたりの間にある時差に美穂が混乱していると、
「リョウ――!!」
「あ、アリーちゃんですね」
凌を呼ぶ声は美穂にも聞こえたらしく、
「うん、だから行くね」
「はい、行ってらっしゃい、先輩」
「おやすみ、美穂」
ちぐはぐな挨拶に二人で笑いあって通話を切った。
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