君伝3…7章 キス、しようか?

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「で、話してないんだ?」 バッシュの紐を結んでいる凌の隣にはチアーの格好をしたシェリーがいる。 「うん、なんて切り出して良いか分からないし」 「言わなきゃ分からないからね」 「……もしかして今の嫌みだった?」 「気のせいよ。でも、ちょっとくらい意地悪する権利はあたしにあると思うけど?」 そう言ってガムで風船を膨らませるシェリーに凌は「そうだね」と笑った。 バスケをしてるときはいい。 そのことに集中できるから。 「リョウ――!」 呼ぶ声に振り向きもせずパスを後ろへ、そのままゴール下へ飛び込んで――、 ガンッ!! 飛んできたボールをゴールに押し込む。 「いいぞ! それに比べトム! お前の身体はたたデカいだけか!? しっかりディフェンスを……」 ニックの声を聞きながらタオルで汗を拭く。 バスケは練習すればするだけ上達する。 体力だって自分次第だ。 だけど――。 「リョウ! 勝手に休むな! 追い出すぞ!?」 その声に「はい」と答えてタオルを放ると、またコートに戻っていった。
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