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「うー! 寒い!!」
そんな真由美の声に「そうだね」と答えて両手に息を吹きかける。
一瞬は温かくなるけれど、吹き抜ける木枯らしにすぐにその熱は奪われて美穂は肩をすくめた。
「こんな言い方したらコータ怒るけど、鳴海先輩いないわりに男バス頑張ってるよね」
「多分、いないから頑張ってるんだよ」
「え?」と声をあげる真由美に美穂は少し困ったような笑みを浮かべる。
「居なくなったから負けた、とか言いたくないんだよ。あたしだって――」
そこで言葉を止めてしまう美穂に真由美は「なに?」と聞いたけど、
「なんでもない。ほら、模試対策頑張ろ!」
美穂はそう言って真由美より先に予備校のドアをくぐった。
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