2153人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
『彼がいないからダメだった』
なんて思われたくなくて頑張ってる部員たち。
そして、自分。
いなくても頑張れることを見せたくてこうして受験勉強にだって手は抜かない。
勿論、部活だって出来る限りは顔を出して手伝って……。
そんな忙しい毎日を送っていると、彼と話をするタイミングだって逃してしまう。
こんなはずじゃ無かったのに――。
離れていても大丈夫。
なんて思えたのはどうしてなんだろう?
大学生なんだからパーティーだってなんだって、いろんなことがあるんだと思う。
アメリカなら尚更だ。
だから気になって聞いたけど……。
あれから話すチャンスはなくて、と言うか、聞くことすら出来ない。
しつこく聞けば信用してないみたいだし、だからって気にしないことも出来なくて……。
「やだなぁ」
「ん? 何が?」
首を傾ける真由美に「なんでもない」と苦笑して、美穂は自分の席に座った。
最初のコメントを投稿しよう!