君伝3…7章 キス、しようか?

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ウィンターカップ出場まであと2つ。 それだけ勝てば去年と同じ舞台に立てる。 はずだったのに――。 鳴らされるブザー。 乱暴に投げられたボールはリングを蹴って跳ねていく。 「あ――っ!!」 コータが叫んで座り込むと床を両手で叩いた。 アキは足首にアイシングを当てた状態で俯き、 美穂は椅子から立ち上がったまま、ただ呆然とスコアボートを見つめていた。 これで高校最後のバスケは終わり。 零れる涙を拭いもせずスコアボートを見つめていると、 「ごめん」 そう言ってコータがタオルを差し出してくれた。 だけど、そのコータの顔も涙でぐちゃぐちゃだから。 「……コータが使ってよ、わっ!」 美穂がそう言って涙を手の甲でグイッと拭うと、そのままタオルを顔に押し当てられた。 「俺のは汗だし」 「……」 「ホント、ごめん」 そんな声に美穂はタオルに顔を埋めたまま頭を左右に振った。 誰かが悪い訳じゃない。 誰も手を抜かなかったし、誰も最後まで諦めなかった。 だからってそうすれば勝てるわけでもないことを知ってる。 それでも泣きたくなる気持ちは止めようもなくて……。 「ごめん、美穂ちゃん」 そんなコータの声に頭だけを降り続けた。
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