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そのスーツ姿だけを見れば、何処にでも居そうな普通の男のように思えた事だろう。
男は公園に入ってきた俺を見付けると、立ち上がってこちらに歩いてきた。
立ち上がると、男はかなりの長身である事が分かった。俺も背は高い方なのだが、その男の方が拳一つ分ほど大きい。
「蕗辻様でいらっしゃいますね?お待ちしておりました。」
男は軽く頭を下げた。俺の目はさっきからずっとその頭に釘付けになっていた。
男は何の冗談のつもりか、白い覆面のような物を被っていた。顔の位置には、最近よく見るようになった顔文字がプリントされている。
「初めまして。私、カシカシマスの社員で貴方の担当となりました。ショボンと言います」
「………は、はぁ。」
「気軽に"ショボさん"とでもお呼び下さい!」
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