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 ――駅の改札を抜けて、辺りを見渡しながら歩く。  馴れない駅を歩くと、どこか遠い所に来たような気分になる。駅に限った話でなく、知らない場所はいつでも遠く離れた世界のようだ。  幼い頃には好奇心が何よりも勝っていた。それが今ではただただ億劫で、迷子になった子供のような不安感に、年甲斐もなく襲われたりする。  とはいえ、そんな大層な事を言ってみても、ここは会社の――以前勤めていた会社の最寄り駅から、たった一駅分しか離れていないのだが。  指定された公園までの道筋を、駅前の色褪せた案内板で確認する。少し古びた団地の一角にある、小さな公園らしい。
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