1

5/10
前へ
/11ページ
次へ
 ――確か、先週の事だったと記憶している。  俺は先月、"とある理由"で仕事と家庭を失ったばかりで、何というか、酷く参っていた。  家庭を失ったのは仕方がないと思うことにした。どうせ若い頃は独りだったのだから、今更困るような事は何もない。食事を作るのが少し億劫だったが、すぐに慣れるだろう。  しかし、仕事を失ったのは流石にどうしようもなかった。生活がかかっている。せっせと貯めてきた貯蓄は、もはや俺の手元にはなかった。  まさか、家を手離してダンボーラーとなる訳にもいかない。俺は、ネットで新たな職を探す事にした。ハローワークは最後の手段にしておきたかったのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加