2/29

18人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「面倒な事にならないよう協議離婚で済ませたかったんだけどさ。 どうしてもカミさんが納得しなくて・・・。 だから今回、やむを得ず調停を起こしたんだ。」 俊哉は溜め息を吐き、テーブルに肘を付けて頭を抱えた。 想像していたよりも話がもつれ、俊哉の現状はどんどん面倒な方向に向かっている。 今回調停を起こしたのも、結論の出ないこの夫婦関係に早くピリオドを打つためだった。 「それじゃあ、もう完全に修復できないんじゃないの・・・?」 項垂れるかれにコーヒーを差し出しながら、私は彼の話を引き出そうと疑問形式で言葉を投げ掛けた。 しかし彼の意志は頑なに変わる事はなく、もう目的と結論は決まっているようだった。 早く離婚したい。 ただ、その一心で・・・。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加