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「えぇと・・・、お母様はいらっしゃいますか?」
中塚課長が声を掛けたため、俊哉の視線が私から外れる。
少しだけほっとした。
正直な所、気まずいこの雰囲気と突き刺すような彼の視線から早く逃げたくてたまらなかったのだ。
「あっ、今呼んできます。
とりあえず、中へどうぞ。」
「では、失礼致します。」
俊哉は私たちを家に上がるよう勧め、早速居間へと案内してくれた。
彼の後ろを行く中塚課長に続き、私も一緒に居間へと向かう。
やっぱり自分の用事だけ済ませて帰ると言えば良かった・・・。
そんな事を後悔しても、今となっては後の祭りだった。
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