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仕事が終わって帰宅したのは18時半頃。 すぐに私は俊哉に連絡を入れ、彼の家に向かって車を出した。 今日の昼間訪れたはず場所と同じはずなのに、夜になると雰囲気が違って見えるから不思議だ。 私たちが通された居間のある場所からは、カーテンの隙間から照明の光が漏れている。 この家が面している道路には街灯がまばらにしかなく、窓から漏れる光で少しだけ明るさを保っていた。 そのため、玄関の目立つ場所に掲げられていた表札は夜の暗がりに隠れて今はよく見えないのだ。 だから私は、今まで何度もここに来ていながらも俊哉の苗字が実家の表札と違う事に気付かなかったのかもしれない。
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