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「なんだかすごい家系なのね。 俊哉の奥さんはどんな人なの?」 「あいつはごく普通だよ。 養護学校で働く教員さ。 カミさんの両親は自営業で、飲食店のマネジメントをしている会社の社長と専務って訳。」 「もしかして俊哉は、その会社を継ぐために養子に入ったの?」 「そういう事。 婿入りしたのは4年前だけど、その頃はまだ今ほど夫婦仲が悪くなかったからさ。」 俊哉は大阪でグルメ雑誌の編集者をやっていた。 だからお姑さんたちにとっても、俊哉は都合のいい存在だったのだろう。 「それに俺は次男だし、実家も自営業って訳じゃないからさ。 後々は兄貴が実家の墓を守ってくれるだろうって事で、うちの両親も承諾したんだ。」
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