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そんな簡単なものなのだろうか。
俊哉の話を聞いていて少し疑問が残る。
いくら次期社長の座が自分の息子に用意されているといっても、俊哉を養子に出す必要はあったのだろうか。
普通の親の考えとしては、少し無理があるんじゃないかと私は感じていた。
「だけど、婿養子に入ったら離縁も難しいでしょ?
詳しくは知らないけど、いろいろと厄介そうだよね。」
「ああ。そうだな・・・。
だから調停も長引くんじゃないかって思ってる。
これから慰謝料やら財産分与やらの問題も出てくるんだろうな。」
俊哉の事情は複雑すぎて、私には理解しきれない。
私のようにあっさりと離婚が成立する場合もあるけど、本来離婚をするには神経が磨り減る程の苦労を伴うと聞いた。
人それぞれ事情は違う。
だけど離婚という選択肢の行く末は、“別離”という結論で一括りにされるのだ。
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