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・・・あれ? 私、それまでは俊哉の事を何て呼んでたんだっけ・・・? 「やっぱりそうか・・・。 都那、あまり小さい頃の事は覚えてないもんな。」 俊哉は少しがっかりして、私から目を逸らし窓の外を見つめた。 彼の言う通り、私は小さい頃の記憶を断片的にしか思い出せない。 だけどそれは長い年月の経過によって忘れ去られてしまった事であり、何かきっかけがあれば思い出す事もある。 例えば・・・、そう、あの夢のように。 ふと、いつも見る夢の事を思い返す。 夢に出てくる“じゅんくん”と出会うのは、いつもおばあちゃんの庭だった。 あの頃の私は男の子が苦手で、俊哉ともまだ上手く話せなくて・・・。
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