第1話

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あー、私死ぬかも。 アジアの東端にあるこの小さな島国で、街中の人がなんの縁もないくせに、遠い昔海の向こうのどこかの国で生まれた聖者の誕生日を祝って浮かれている最中、 私はひとり自分のアパートの台所で這いつくばって、死を覚悟していた。 昨日の夜からの突然の発熱。 (体温計がないからわかんないけど、きっと40℃超えてた!) 引き出しの中を漁ったけど、風邪薬どころか痛み止め兼解熱剤すら無いし。 (この前の生理の時に使い切って、新しく買ってなかった。なんたる不覚!) 仕方なく、できるかぎりの厚着をして布団にくるまって一晩寝たおかげで、大分熱は下がってきた気がするけど。 (体温計が無いから正確にはわかんないけど。たぶん少しは下がってるはず。いやむしろ下がっててくれないと困る!) 目を覚ました途端、猛烈な喉の渇きと空腹感を覚えて、布団から這い出て冷蔵庫の前までたどり着いた。 そして。 冷蔵庫を開けた瞬間 自分の人生の終わりを悟った。(←今ココ)
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