第1話

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青白く光る冷蔵庫の中には、使いかけの調味料と発泡酒が三本。 そして、その横にぽつんと置かれた使い慣れた私のスマホ。 ……ああ。 さっき冷蔵庫開けた時に、無意識に冷蔵庫の中に入れていたのね。 自分の馬鹿さ加減に思わず力が抜ける。 まぁ、人生ってこんなもんよね。 探し物とか幸せって、意外と身近な場所にあったりするのよね。 神様、さっきはバカヤロウとか言ってごめんね。 もうさっさと実家に電話して、迎えに来てもらおう。 あったかいこたつに入って、お母さんに大根入りの中華粥を作ってもらおう。 (そしてあの忌まわしい日記帳はこっそりと処分してしまおう) そう思ってスマホの電源ボタンを押した私は、またも一人天井を仰いだ。 (……ジーザス!!) なんたる事。 今度こそ神は我を見放したか。 まさかスマホの充電が切れているなんて……!
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