1802人が本棚に入れています
本棚に追加
「綺麗だな」
「わっ!」
ひょい、と覗き込んできた長瀬に驚いて、大きな声を出してしまった。
ばくばくとうるさい心臓を鎮めながら、振り返る。
「気配消さないでよ……びっくりしたじゃない」
「あ? 羽村が鈍いだけだろ」
抗議した私をばっさり切り捨てて、長瀬は私の手からそのピアスを奪い取った。
「あ、ちょっと」
「ふーん。いいじゃん、これ」
そう言って、私の耳元にそっと寄せる。
付けたときをイメージしてる、その目線がまっすぐ私に届くから。
何だか落ち着かなくて、顔を上げられない。
.
最初のコメントを投稿しよう!