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「うん。羽村っぽい」
「私っぽいって……どんなよ」
納得したように頷いた長瀬に質問を投げる。
「そーだな……、なんかこんな感じの、ちょっと表情のあるアイテムが好きそう、っつーか」
「……表情?」
疑問を返した私に、長瀬が答える。
その手にあるピアスをゆらゆらと揺らしながら。
「ああ。質感とか、形とか? ちょっとひねりある方が好みだろ?」
「そー、だけど。どうしてわかるのよ?」
「んなの見てりゃわかるって」
馬鹿だな、とでも言うかのような表情だったけど、瞳はやさしい。
その空気に私は、どうしようもない感情を抱いていた。
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