【第19話】星振る夜-2

17/37
前へ
/37ページ
次へ
  複雑な表情のまま問いかける私に、長瀬はまた溜息を吐く。 「とにかく」 そう言った長瀬は、私の頭に手を乗せて、ゆらゆらと揺らした。 その衝撃に、つい、掴んでいた服の裾を離してしまう。 揺れが収まって、視線を上げた先。 長瀬の表情は、柔らかかった。 「俺が買ってやるっつってんだから、有り難く受け取れ」 言葉自体は、オレサマ感たっぷりだったけど。 意地悪な笑顔が何だか、少しだけ柔らく感じた。 .
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1802人が本棚に入れています
本棚に追加