【第19話】星振る夜-2
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「いいから、貸せって」 ピアスを手にした長瀬は小さく、やってみたいんだよ、と言った。 その言葉が、初めてする行為だということを連想させる。 長瀬が一歩、私に近づく。 その指先がそっと髪を梳いて、耳を露にした。 わずか数十センチの隙間。 少しでもバランスが崩れたら、もう、長瀬の腕の中に収まる距離。 もっと近づくことだってあるのに、どうしてだろう、緊張で指先が震える。 .
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