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考えてみれば、最初はただの迷惑でしかなかったことが、どんどん嫌になっていったのもそのせいだったんだ。
長瀬が甘く優しく私を融かそうとするのが嫌だった。
心ごとすべて持っていくみたいに『ミオ』と呼ぶのが嫌だった。
時折、感情を含ませたような眼差しで、私を見るのが嫌だった。
何より一番、まるで恋人にするみたいに、熱を込めて私に触れるのが嫌だった。
その甘い囁きを、受け入れたら。
一度でも、認めてしまったら。
跡形もなく流されて、溺れてしまうのは、目に見えてる。
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