【第19話】星振る夜-2

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  考えてみれば、最初はただの迷惑でしかなかったことが、どんどん嫌になっていったのもそのせいだったんだ。 長瀬が甘く優しく私を融かそうとするのが嫌だった。 心ごとすべて持っていくみたいに『ミオ』と呼ぶのが嫌だった。 時折、感情を含ませたような眼差しで、私を見るのが嫌だった。 何より一番、まるで恋人にするみたいに、熱を込めて私に触れるのが嫌だった。 その甘い囁きを、受け入れたら。 一度でも、認めてしまったら。 跡形もなく流されて、溺れてしまうのは、目に見えてる。 .
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