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「髪のお手入れをいたしましょう」
私の後ろに回って、上からすうっと櫛を通していく。
やっぱり、私の髪長くなってる。
八重さんが腰を折って、しゃがみこんで梳かしていく様子が横目で見える。
これも自分で梳かしたいけど、手が届きそうもない。
一通り梳かし終えると、彼女は手元を整理して再び立ち上がる。
「几帳を片付けますね。もうすぐ翁様、嫗様もいらっしゃると思いますので」
てきぱきと体を動かす八重さん。
「あ、手伝います」
そう言って動こうとした瞬間……。
「きゃあ」
倒れこんでしまった。
この格好……思ったよりもすごく歩きづらい!
「大丈夫ですか!?」
八重さんもびっくりしたようで、慌てて駆け寄ってくる。
この人はどうして、こんなにさくさくと動けるだろう。
「す、すみません」
「お手伝いなんてとんでもないです。姫様はおとなしくしていてください」
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