第二章

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何かを感じ取ってるのかもしれない。 私は私のまま過ごしているし、以前のかぐや姫と違うところだってもちろんあるだろう。 誰も何も、言わないけれど。 「貝合わせは順調ですか?」 八重さんはにこやかに問い、貝殻を二つ、取り上げる。 そのまま合わせて見せて、再び開いてこちらに見せた。 同じ絵柄が描かれている。 それに彼女が二つを合わせた時、ぴったりと一致していた。 「合ってますよ。すごい」 八重さんは照れたように笑って、少し離れたところに腰を下ろした。 ここしばらくで分かったのは、八重さんは若いのにすごくしっかりしていて、物静かな性格。 面倒見がいいお姉さんみたいな感じだ。 向こうでは一人っ子だったからな……。 そこは少し、嬉しくも感じる。 「かぐや姫や」 御簾の向こうから、おじいさんの声が聞こえた。
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