第二章

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「志の深さを見ようというわけではないのです」 台詞通りでいいのかな……。 そうは思うけれど、その流れしか知らない。 知ってる流れに、持っていくしかない。 「ほんのちょっとしたことなのです。五人の方の志は、みんな等しいようです。優劣が分かるはずもありません。五人の中に、私が見たいと思うものをお見せくださった方がいたなら、その御方に妻としてお仕えいたしましょう」 おじいさんの表情が明るくなった。 「そうかそうか。では、そのようにお伝えしてこよう」 おじいさんが出ていくと、体中の力が抜けていくような気がした。 「かぐや姫様!?」 八重さんが慌てて駆け寄ってくる。 台本では、確か今夜彼らが来るはずだ。 そしておじいさんが、私の言葉を彼らに伝える。 物語が、動き出したのだ。
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