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急に聞きなれない声が響いた。
驚いて御簾の方を見ると、背の高い人影。
あれが……庫持の皇子?
「皇子の言うことはもっともだ。この国では見ることができない玉の枝がここにある。どうしてお断りすることができるだろうか。人柄も、とても良いお方だよ」
おじいさんはすっかりその気だ。
「寝室の用意をしよう」
おじいさんは立ち上がり、部屋を出た。
「さ、皇子もこちらに」
庫持の皇子を連れて行くらしい。
二人の話し声が、徐々に遠ざかって行った。
「本当に素晴らしい品」
八重さんは近寄るのも恐れ多いというように、遠くに控えてまじまじと見つめている。
「どうしよう」
口にすると体中が熱くなった。
どうしようどうしようどうしよう!!
このままじゃ……結婚させられちゃう!!
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