51人が本棚に入れています
本棚に追加
八重さんにも咳払いが聞こえたのか、くすくすと笑いを噛み殺してる。
「八重さん、あの方たちに何かお礼ができないでしょうか」
伝えると、八重さんは頷いて、笑いを噛み殺したまま部屋を出て行った。
ああ、一時はどうなることかと……。
安心して畳みの上に寝転がった。
かぐや姫も、こんな気持ちだったかな。
そんなことを思うとおかしくなった。
かぐや姫と私と、違いは容姿くらいなのかもしれない。
月の人とはいっても、かぐや姫だって私と同じ女の子だ。
――断らなきゃいけないのは、あと、三人。
最初のコメントを投稿しよう!