第三章

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八重さんにも咳払いが聞こえたのか、くすくすと笑いを噛み殺してる。 「八重さん、あの方たちに何かお礼ができないでしょうか」 伝えると、八重さんは頷いて、笑いを噛み殺したまま部屋を出て行った。 ああ、一時はどうなることかと……。 安心して畳みの上に寝転がった。 かぐや姫も、こんな気持ちだったかな。 そんなことを思うとおかしくなった。 かぐや姫と私と、違いは容姿くらいなのかもしれない。 月の人とはいっても、かぐや姫だって私と同じ女の子だ。 ――断らなきゃいけないのは、あと、三人。
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