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「わかった!わかったから、店に帰らせてくれ。9時にはバイトが終わるから、店の前にでもいるんだな」
ちくしょう。定職についていないことを今日ほど悔やんだことはねえぞ。
女はパッと顔色を輝かせて頷いた。
そしてこう言った。
「逃げたら警察呼ぶよ?」
コイツ、ものすげぇムカつくー!!!
俺は犯罪者か!?
とにかく、早く店に戻らねェとヤバい。
バイクで5分もかからない配達先に20分以上費やしているんだからな。
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案の定、店長からすっげぇ剣幕で怒られた。
そして、配達を5件も余分に追加され(すべて遠かった)、死に物狂いで働いてようやくバイトから解放されたとき、予定の9時を40分も過ぎていた。
「ずいぶん遅いじゃないですか。9時に終わるって言ったのは貴方ですよ?」
・・・居たのかよ!!!
「もう居ないとでも思ってましたか?残念ですね~。約束は果たしてもらいますからね」
約束じゃなくて、テメェのごり押しだろうが。
だいたい、お前の見た目はどう見ても女子大生じゃねぇし!
補導されかねんぞ、マジで。
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