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女の望み通り、海浜公園にやってきた。
けどなぁ…。
真冬に海に来て何するんじゃボケェ!
と言いたい。
「今、私をバカにしましたね?」
…こいつ、無駄に勘が鋭すぎる。
ついでに言うなら、数時間前に自販機の前で泣き倒した女と同一人物とは思えないふてぶてしさなんだが。
何も言わない俺をしばらく睨み付けていた女は、ぷいっと目をそらすと、海を見つめて…。
うっすら笑ってやがる!!!
怖ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
「一度、海に行きたいと思っていました。来れてよかったです」
女はそう言ってただひたすら海を眺めていた。
…………
………
寒いんですが。
今、無性に帰りたいんですが!
俺、凍死するんだな…。
潮風がハンパねェ。
「男のくせに寒さも我慢できないんですか?情けないですねェ」
や、だからなんで俺の心を読むんだよ!!!
自慢じゃないが、俺の表情筋、死んでるんじゃねーか?ってくらい変わらねぇんだぞ。
そのせいで、友達いねぇし、勝手にヤンキーと間違われるし、バイト先探すのに苦労するんだぞ!
定職に就けないのだって営業スマイルできねぇからだよ!
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