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「それでもさ、友達なら『協力するね』とか言ってくれてもいいんじゃない?」
「えー、協力? ……でもなあ、あたしには彼のどこが良いのかさっぱりだし」
「何でよ。格好良いし優しいし、理想の彼氏じゃない」
長すぎない髪はいつも自然にセットされていて、涼しげな目元と筋の通った鼻からは爽やかさが溢れ出ている。
そして緩くネクタイが締められている首筋からはほんのりと焼けた肌が覗いており、すれ違うたびにいつもほのかに良い香りがしていた。
それに去年同じクラスだった時には、文化祭の準備でもこまめに声を掛けてくれていたし積極的に手伝ってくれていた。
ついでに言えばテストではいつも良い点を取って名前を呼ばれていたし、想像でしかないけどきっと頭の回転も早いと思う。
私の中では完璧に彼氏にしたい男の人の姿だ。
「まあ言いたいことはわかるけど、あたしのタイプではないな。完璧すぎると逆に怖いし」
「そうかなあ」
別に何も怖いところなんてないと思うんだけどなあ。
まあ趣味は人それぞれって言うから何とも言えないんだけどさ。
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