第1話

そんな俺にとって唯一の肉親だった弟も昨年、死んだ。

イジメが原因で学校の屋上から飛び降りた。
遺書も残っていた。

だから、誰が弟を死に追いやったかすぐに分かった。

誰にでも優しくて大人しかった弟が、俺は大好きだった。

親戚中を盥回しにされていてもいつも笑顔で頑張っていた弟が俺の支えだった。

だからこそ弟を自殺に追いやった奴らが許せない。

罪にも問われず、のうのうと暮らすあいつ等が…

でも、
俺には幸せそうなあいつ等をただ睨みつけることしかできなかった。