第1話

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 長い廊下には南国風の観葉植物がいくつも並べられ、 大型の木製のファンが廊下の天井でゆっくりと旋回し、 解放されている廻廊の扉から、まばゆい太陽の光が 暗い廊下へ注がれて、溢れた陽の光が歩くたびに 舞香の足元で揺れる。 磨き上げられたエレベーターの金色のドアに姿を映す。 エレベーターで4階まで上がり、更に建物の奥まで歩き、 部屋の扉の前まで来ると、ポーチからカード型のキーを取り出し、 部屋の鍵をドアの前でかざす。 ドアのノブを押し、中へ入ると、直也が窓際のソファに もたれながら外を眺めていた。 「やぁ……舞香、仕事は全部片付いたよ、 来るのが遅くなってしまったけど」そう言いながら、手を振る。 「買い付けはうまく行ったのね」 「まぁね、そこそこの値だよ、」 そう……、と、舞香は頷き、窓際へ歩いて行く。  直也が立ち上がり舞香の目の前へ立つと、 突然、唇を求めて右手を舞香の顎にかける。 いやよ、と、舞香は軽く小声で言い、横を向いたが、 直也はその言葉を無視して肩を抱き強く唇を重ねる。 直也はそのまま、もたれかかるように壁の側面へ舞香を押し付け 腰に巻いたパレオの紐を外すと、パレオは床のカーペットの 上へするりと落ちた。 ペイズリーのジョーゼットのワンピースを 足元からたくし上げ、露出した舞香の白い右の太股を持ち上げると おもむろに自分の脚へからませ、キスを続ける。 水着のブラトップのホックが外れる。 アンダーショーツまで手を伸ばしゆっくりとずらしながら、 持ち上げた右脚からくるぶしを通し床へ落とす。  直也は首筋から、乳房に向かって愛撫を続け、 レモンの実のへたのくぼみのような仄かに突起した乳首を 舌の先で転がすように愛撫してから吸い上げ、 今度は舌の真ん中で舐めては、小梅の種を丸めるように 円を描きながら転がす。 直也の腰が舞香の腰に重なり、再び唇を重ねて、 絡ませた舞香の右脚をさらに上方へ引き上げると、 直也は腰を突き上げ、彼自身を舞香の花弁の奥へ忍ばせて行った。
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