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「ちょっとあなた。そんな簡単に人様の子どもを預かるなんて…」
いつもは義忠の決めたことに従う公子ですらこの即決には反対の意をしめした。
「それは俺もすまないと思うし、君には負担が大きくなるだろうと思う。けれど、これは仕方ないんじゃないか?!ヒロの稼ぎで苦しいのだろうし」
「でも……」
「それに、女の子も欲しいなって言ってたじゃないか。この年頃に子ならそんなに手間はかからないと僕は思う。お金は心配しなくてもいい」
義忠はいつになく強引になっていた。
「そこまで言うのなら仕方無いですね。私も女の子が欲しいって思ってましたし、その夢も叶ったと思えばいいのかしら」
と言って公子も納得した。
「というわけで今日から家族だ。よろしく………ところで名前を聞いてなかったや」
義忠のその一言に全員が少しずっこけた。女の子は少し間を置いて
「白雪莉乃です。よろしくお願いします」
と答えた。
「莉乃ちゃんね。よろしく」
義忠は莉乃と握手を交わした。
「さてと。じゃあ僕は帰ります」
「なあヒロ。帰りながらでもいいから少し外で話さないか?」
義忠は博士を誘った。
「分かった」
「じゃあ僕もついて行っていいですか?」
正義も二人について行くことにした。
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