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電話番号が変ってなさそうなので、ショートメールを送った。
とも書いてあった。
舞香はレイコに電話で連絡をとった。
レイコはしばらく、と、言い、少し世間話をしてから、
今夜、会えないか。と、言うので直也と会う約束が入っていたが、
レイコが差し迫って会いたい様子だったので快諾し、
新宿で会う事にした。
レイコとは同じ女子大で専攻も同じだったので、気があった。
好きになる男性のタイプも正反対だったため、合コンでも衝突しない。
利害関係が舞香とレイコの間には潜在的に存在していたので、
同性の友人としては最適だった。
レイコの家は医者の家系で、レイコの両親は彼女を
医者として育てるつもりだったが、レイコが幼稚園に上がった年に
長男が生まれたので、医者としてこの先大学まで進学させる気も失せて、
どうせなら一貫教育と思い、レイコを女子大の付属へ入学させた。
高校時代にはかなり遊んでいたらしかったが
大学生になると急にまじめになって、一人の男としか付き合わなくなり、
大学で知り合った舞香と、ほかに舞香と同じく大学から
入学したミスズとの三人で良くご飯を食べに行ったり遊んだりした。
舞香は山手線で新宿へ行き、東口の地下改札口を通り、
ブティックが並ぶ地下街を抜け、その地下街の一角にある
セルフコーヒーショップでアイスカフェラテを頼み、レイコを待った。
しばらくすると、レイコも店に到着して、舞香に、
お待たせ、と、言い、自分も飲み物をカウンターで注文すると、
ストローを片手にグラスを持ち舞香の正面へ座った。
「ごめんね、待たせちゃって……」
「別に、大丈夫……」
「そうだよね、職場、近くなんでしょう?」
「うん……、ま、ね……」
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