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舞香はあっけにとられ、カフェラテをストローですすると、
既に氷は溶けて、1センチ位、カフェラテの上に水が浮かんでいる。
舞香はストローでかき混ぜた。
「でも……、レイコ、やっぱり、家へ帰るべきじゃない?
親も心配していると思うよ、それに、そのひとと一緒にいても、
なんだかレイコが不幸になりそうで……、
あんまり、良い人とは思えないんだけど……」
レイコはしばらく考えて舞香の顔を見る。
「やっぱり、そう思うかぁ……」
ため息混じりにレイコが言う。
「チャラい感じのひと?」
舞香が尋ねる。
「全然……、今のひとはすごくまじめ……、やさしいし……」
「そう……、わたしにはなんとも言えないな」
「そうだよね……」
「結局は自分で決めるんだからね……、
でも、わたしにまでレイコがお金を借りに来るんじゃ、
よっぽど大変なの?」
「うーん、結構、辛い……」
「もう一度、親に頼んでみれば……」
「多分、ダメ……」
レイコはそう言い、でも、わたしで、
なんとかするから……、と、言う。
舞香が途方に暮れていると、レイコが、
今日はありがとう、と、言った。
その切ないレイコの顔を見ていると、なんだか
自分が悪人のように思えてきて、哀しかったので、
レイコに、幾らぐらい必要なの?と、訊く。
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